最終幻想記。

日々の雑想や、趣味のこと 日々の中でできてしまった幻想なんかを 綴っていく そんな予定です。予定は未定ですが。

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シーン2 アサクサ

 “MUZIK SHELL”の二階は事務所兼住居になっている。二階といっても元工場の建物のコト、まともなわけはない。クレーン操作室と鉄骨の梁をうまく(というか神業的バランスで)利用したスペースでしかない。レオンは住み込みのアルバイトとしてこのスペースをオーナーである岩見から借りて暮らしている。
 一人で暮らす分には広すぎたのだが、ある事件をきっかけにアニーという少女と彼女が所有する家庭用ドロイドが一緒に住むようになると狭く感じるようになった。ベッドルーム以外の生活空間を共有することでなんとかごまかしているといったところだ。
 次の日の昼下がり、一人の少女がドロイドを従えレオンの部屋に潜入していた。肩にとどくか届かないかで切りそろえたブロンドが良く似合うあいらしい容貌と、その容貌によくマッチしたブラウスとショートスカート。可愛らしいが彼女の年齢を事実より5歳ほど若くローティーンと見積もる者もいるだろう。
 アニーはそっとベッドに歩み寄るとレオンを起こそうと試み始めた。
実はレオンが昨日徹夜してたのも知ってはいるのだけど。
「ねぇ、レオンっ!起きてよぉ。一緒に服を買いに行ってくれる約束でしょお?」
 レオンのベッドの上にはシーツでできた見事な繭が転がっている。アニーにかなり激しく揺さぶられても、全く反応がない。
「フライパン!」
 5分後、アニーがキレた。主人の命令に、いそいそとドロイドがフライパンを持ってくる。
「せぇ~のぉ~」
「わー!待った!そのフライパンどーする気なのよ?!」
 アニーがフライパンを振り上げたのと、繭からボサボサ髪のレオンの頭が飛び出したのは同時だった。
「「あ」」
 振り上げたものは振り下ろす。レオンの問いにフライパンは簡潔に答えた。くわん、という意外に軽い音とともにレオンは気を失った。
 一時間後、泣いて謝るアニーにおつかいのメモと少し多めのお金を持たせて送り出したあと、レオンは大口径ハンドガンを取り出すと分解して手入れを始める。良く冷えたハムサンドをくわえたまま内部構造をチェックして必要なところにはオイルを丹念に塗りこむ。レオンにとってこの時間は趣味と実用の両面において欠かせないひとときだ。
 TRRRR
「DAK、私のポケットロンにつないで」
 通信の着信音に振り返りもせず、ホームトロンに命令をする。手元に置かれた携帯端末にアイリーン・タミヤの深刻そうな表情が浮かび上がった。
「レオン、悪い知らせが2つある」
 レオンは困惑して手を止め、ハムサンドを皿に戻した。
 アイリーンからの通信はレオンに大きな衝撃を与えた。第一にキョウジがテロに巻き込まれて命を落としていたこと。第二にマコの行方がわからなくなったこと。
 キョウジはこのせいでライブに現れなかったのだろう。こうなると“ブルーストーン”は活動を継続することはできないだろう。
 そして、そのことに一番心をいためるであろうマコが、いなくなった。
「マコの奴…アイリーン姐さんに頼むだけじゃなくて…まさか…」
 苦い表情と共に立ち上がり、分解整備中の愛銃ではなく、予備銃をひっつかむと部屋を飛び出していった。

 三十分後、部屋に帰ってきたアニーは大事そうに食べかけのハムサンドと分解された銃を冷蔵庫にしまいこんでいるドロイドに気がついた。
「レオンは?」
「慌てた様子で外出されましたが、いつ戻るかは存じません」
 アニーの問いにドロイドが淡々と答えた。
「……」
「何か?」
 アニーが黙り込んでしまったので、ドロイドが心配そうに主人の少女の顔を覗き込んだ。その瞬間アニーが吼えた。
「レオンのバカぁっ!せっかくかわいいフリルスカートとサマーブラウス買ってきてあげたのにぃ!」





用語解説

ドロイド

アンドロイドといえばおわかりになるだろうか。機械でできた人形である。AIが高度に発達したN◎VAの時代では、さまざまな人間のニーズに対応した者たちが作られた。
先に解説したロボタクもその一種ではあるが、ドロイドは一般に人型をした者たちをさす。
用途もさまざまで、家庭の雑事をサポートまたは代行してくれる家庭用ドロイド、魅力的な娼婦として作られたセクサロイド、戦闘用につくられたドロイドまで存在する。
ちなみに作中に登場するドロイドは家庭用ドロイドで、特に描写はされていないが、アニーの趣味でメイド服をまとっている。

DAK(家庭用トロン)

ホームコンピュータのこと。
もちろんとてもとても進化している。接続された電化製品の制御からセキュリティの確保、電話機能まで備えており多くの家庭に導入されている。これにもAIが搭載されており、作中のレオンのように声による命令でさまざまなことをしてくれる。
たとえば「今日、仕事から帰宅したら風呂をわかしておいてくれ」などといった命令も彼らはこなすことができる。
ちなみに、トロン、とはいまでいうコンピューターのことである。

ポケットロン

携帯用トロンのこと。携帯電話とは少し違う。
手帳サイズのトロンにTV電話機能とスケジュール機能ともろもろのビジネスシーンに有効な機能を詰め込んだものである。
このTRPGが発売された頃はこれだけで未来を感じたものだが、このポケットロンに関しては現実は追いつきつつあるようだ。
ちなみに、ポケットロンは商品名である。チャマー社が発売したこの商品は瞬く間に世界を席巻し、このテの機械をさす一般名詞のような扱われ方もしている。

アニー

レオンの同居人。
「ある事件」とは「シナリオ」のこと。つまり、TRPGで遊んだ際にNPCとして登場した彼女とレオンが仲良くなり、同居人になった、という設定ができたのである。
小柄でブロンドの典型的美少女である。愛らしさと裏腹にちょっとのボケとかなりの大胆さをもちあわせている。
レオンとであってからは「レオン・アイドル化計画」なるものを発動中らしい。また、楽器(おもにギター)の練習をはじめたようだ。
アニーを登場させたRL氏に感謝していることをここで表しておく。
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Comment[この記事へのコメント]

 

  • shin 
  • URL 
  • at 2007.07.28 23:35 
  • [編集]
設定が・・・すごいねえ。やっぱ世界観をきっちり作ってると深みが違いますな。お見事でございます。

 

  • 氷風@管理人 
  • URL 
  • at 2007.07.29 11:38 
  • [編集]
設定の部分についてはTRPGの設定を自分なりに書き下したもので、自分の発想ではありませんから~^^;
と、いうわけで決して私は偉くないワナ。

TRPGを深く遊んだなら、それだけでみんな作家。または劇の役者。
即興の短編または即興劇をみんなで組み立てる。そんな遊びが大好きだったのです。
今でも好きだけどTRPG遊ぶ環境がぁ~(;;

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